2011年 11月 01日
フォンテーヌブロー |
列車で40分、パリ南東部にあるフォンテーヌブローへ行って来た。
歴代王族たちが8世紀にわたって居城にしてきた
フォンテーヌブロー城を中心に発展したこの町は、
いまでも王侯貴族の生き残りの家が多々あって、
7月14日の革命記念日にはパリ市内で花火をあげ盛大に祝うのに対し、
この町ではなんのお祝いもしないという。
革命記念日とはつまり、王侯貴族にとっては命日みたいなもの?だから! フォンテーヌブロー城正面。馬蹄形の階段がきれい。
歴史のなかにその名が登場するのは1137年、当時はチャペルだったり、
修道院兼病院のような使われ方をしていたようだが、
フランソワ1世の時代になって、
歴代国王の狩猟の際の館として使われ始める。
周囲に広がるフォンテーヌブローの森は、まさに狩猟にぴったりの場所。
都会の喧噪から離れた大自然のなかの城は、フランソワ1世に気に入られ、
彼の命による改築増築で、ほぼ現在のような姿になった。
フランソワ1世[1494-1547]、この人です↓ ジャン・クルーエによる肖像画。長く細い鼻が特徴!
このフランソワ1世さんが、当時ルネッサンスまっさかりだったイタリアに
憧れて、イタリアからさまざまなアーティストを招聘し、
城の建築と内装に従事させた。それがフランス・ルネッサンスの始まり。
彼の思い入れがたっぷり詰まった箇所が、「フランソワ1世の回廊」。
長い廊下の両側に、フランソワ1世の徳をたたえる絵画の数々。
このギャラリー空間の形は、のちのヴェルサイユ宮殿の鏡の間や
ルーブル美術館のアポロンの間の形式に継承されていくという。なーるほど。
この空間に飾られたフレスコ画はすべて、イタリア人画家・ロッソによるもの。
はるばるフィレンツェからお越しになって、こんな傑作を残されたのですね。
王の権威と賢さを象になぞらえて描いたもの。
足下に寄りそう鳥は、王の人民を思いやる愛情を意味しているとか (そ、そう?)。
傑作なのはこれ。
手前にいる群衆はみな目隠しをされた状態で、進むべき道がわからず
右往左往している。
その奥、画面の右上のほうに剣を掲げて明るい空間へ入っていこうとしている
男の後ろ姿があるの、分かります?
これこそフランソワ1世その人。
つまり、知恵のない愚な民たちを、明るく賢明な領域へと導こうとしている王、
そういうストーリーなのだとか。
……
この頃の絵って、遠近法がむちゃくちゃだったり、寸法の表現がおかしかったりで
結構ひきつけられます。
この絵も、おおげさに路頭に迷う人たちと、奥にちっちゃく描かれた
かわいいフランソワ1世の対比が、まるでしりあがり寿の絵みたい。
さらに画枠の外、飾り柱とのすき間まで絵で埋め尽くされており、
それがとってもキュート。 細長いすき間に2頭の犬。
大ネズミ? マルモット? かわいい。
この後ろ足の描かれ方にヤラれました。
飾り柱に肘ついてリラックスしてるし。
押し込められた天使、白目むいてる。
なんだか漫画ちっくで、おおらかで、いちいち可愛い。
色遣いもふんわりとしていて(退色したからでしょうけど)、日本人好みというか、
ヴェルサイユの絢爛さよりも素直にしっくりくる、そんな印象。
裏庭にある狩猟の女神、ディアンヌ像。
森の色づく秋、フォンテーヌブロー、いいですよ。
歴代王族たちが8世紀にわたって居城にしてきた
フォンテーヌブロー城を中心に発展したこの町は、
いまでも王侯貴族の生き残りの家が多々あって、
7月14日の革命記念日にはパリ市内で花火をあげ盛大に祝うのに対し、
この町ではなんのお祝いもしないという。
革命記念日とはつまり、王侯貴族にとっては命日みたいなもの?だから!
歴史のなかにその名が登場するのは1137年、当時はチャペルだったり、
修道院兼病院のような使われ方をしていたようだが、
フランソワ1世の時代になって、
歴代国王の狩猟の際の館として使われ始める。
周囲に広がるフォンテーヌブローの森は、まさに狩猟にぴったりの場所。
都会の喧噪から離れた大自然のなかの城は、フランソワ1世に気に入られ、
彼の命による改築増築で、ほぼ現在のような姿になった。
フランソワ1世[1494-1547]、この人です↓
このフランソワ1世さんが、当時ルネッサンスまっさかりだったイタリアに
憧れて、イタリアからさまざまなアーティストを招聘し、
城の建築と内装に従事させた。それがフランス・ルネッサンスの始まり。
彼の思い入れがたっぷり詰まった箇所が、「フランソワ1世の回廊」。
長い廊下の両側に、フランソワ1世の徳をたたえる絵画の数々。
このギャラリー空間の形は、のちのヴェルサイユ宮殿の鏡の間や
ルーブル美術館のアポロンの間の形式に継承されていくという。なーるほど。
この空間に飾られたフレスコ画はすべて、イタリア人画家・ロッソによるもの。
はるばるフィレンツェからお越しになって、こんな傑作を残されたのですね。
足下に寄りそう鳥は、王の人民を思いやる愛情を意味しているとか (そ、そう?)。
傑作なのはこれ。
手前にいる群衆はみな目隠しをされた状態で、進むべき道がわからず
右往左往している。
その奥、画面の右上のほうに剣を掲げて明るい空間へ入っていこうとしている
男の後ろ姿があるの、分かります?
これこそフランソワ1世その人。
つまり、知恵のない愚な民たちを、明るく賢明な領域へと導こうとしている王、
そういうストーリーなのだとか。
……
この頃の絵って、遠近法がむちゃくちゃだったり、寸法の表現がおかしかったりで
結構ひきつけられます。
この絵も、おおげさに路頭に迷う人たちと、奥にちっちゃく描かれた
かわいいフランソワ1世の対比が、まるでしりあがり寿の絵みたい。
さらに画枠の外、飾り柱とのすき間まで絵で埋め尽くされており、
それがとってもキュート。
なんだか漫画ちっくで、おおらかで、いちいち可愛い。
色遣いもふんわりとしていて(退色したからでしょうけど)、日本人好みというか、
ヴェルサイユの絢爛さよりも素直にしっくりくる、そんな印象。
森の色づく秋、フォンテーヌブロー、いいですよ。
by mari_matsu33
| 2011-11-01 06:37